【6】2008年のジャパンカップダートから学ぶこと

厩舎の勝負気配、というファクターに注目すると、馬券が上手になります。

もちろん、厩舎コメントにはそんな事は書かれてませんから、もっと別のアプローチをする必要があります。

調教方法を変えたり、メンコやブリンカーを試したり、主戦騎手が稽古をつけたりとか、サインはたくさんありますが、一番わかり易いサインは、騎手の乗り変わりです。

若手からベテランに変えて来たり、日本人から外国人にスイッチしてきたりしたときには、陣営が「勝負に出ている」と読んだ方がいいでしょう。
本命にすることを考慮しなければなりません。
(逆に、ベテランから新人にスイッチして来たときは、少なくとも単勝からは外すことを、一度は検討すべきでしょう。)

このレースで言えば、中央のG1に合わせ、ルメールを乗せて来ました。
本気モード以外の、なにものでもありません。
恐ろしく分かりやすいサインが出ています。

もう一つ、陣営のやる気を計る指標に、レースの使い方というものがあります。

カネヒキリという馬は、ダート史上に残る名馬ですが、前走はG3の武蔵野ステークスを長期休み明けで使っています。

結果、いいところなく9着。
しかし、次走のG1で、外国人騎手にスイッチ。

これは私の推測ですが、前走の武蔵野ステークスでは、馬に無理をさせないような指示が出ていたのではないのでしょうか?

狙いはあくまでもG1のジャパンカップダート。

前述のように、サラブレッドは消耗品ですから、全てのレースを全力で走れば、賞味期限が自ずと早まります。

誰がどう考えても、武蔵野ステークスはたたき台ですよね。

まず、長期休み明けの馬については、その可能性を疑ってかからなればなりません。

競走馬が、どんなレースでも全力で走るというのは間違いです。

特に、カネヒキリのような有力馬であれば、体調さえ良ければG1を十分に狙えるわけですから、重賞といえどもたたき台にする可能性はあります。
これは厩舎の方針もあるでしょうが、そういう考えをもつ調教師は少なくありません。

重賞と言えども、たたき台にする場合はあるのです。

そして、叩いた二戦目に乗り替わりがあれば、勝負気配です。


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