【法則7】厩舎コメントは、具体的な事実だけを読め

競馬の神様と言われた故大川啓次郎氏曰く、
「新聞の厩舎コメントなど、刺身のツマほどの価値もない」
だそうです。私も基本的には賛成です。

これって、同じ新聞を読んでいるとよくわかりますよ。

よくある例を挙げましょう。

レース前
「ダートを使い続けて来たが、芝でも十分適性があると判断し、ここを使う。メンバーの中では格上だし、勝負になると思うよ。」

レース後
「やっぱりこの馬には芝は合わない。仕方ないよ。」

おいおい、何だよこれ。
こんな無責任な事、発言していいのかよ。
こっちはお前のコメント見て、馬券買ったんだぞ。

そう、毒づきたくなりますよね。
ですが、厩舎コメントなんて、こんなもんなんですよ。
インタビューを受けている方も、する方も、仕事。

仕事でやっているのです。
何か書かないと、紙面が埋まらないわけですからね。
書く事がなくても何かしら書かないといけないのです。

何かを書かなければならないといっても、その内容はレースに関係したものでなければなりません。

それに加え、あまり断定的な記事を書く訳にはいかないのです。

例えば、
「100%の状態だ。落馬でもしない限り勝てる。」
とか、また逆に
「今回はメンバーが強い。まず勝てないだろう。」
とか。

言い切ってしまうと、そこに責任が生じてしまいかねません。

そういう事情があるので、何となく曖昧な、ぼかした表現を多用するのです。
どっちともとれるような。

例えば、
「今回は勝負になる」(勝つか負けるか、とは言っていない)
「左回りは走る」(走る、のであって、勝てるとまでは言っていない)
「休み明けだし、割引が必要」(だからといって勝てないとは言っていない)
などなど。他にもいくらでもありそうですね。

大川啓次郎さんではありませんが、こんな記事に読む価値など全くありません。
読む意味ゼロです。

というより、予想に乱れが入る分、マイナスの効果しかもたらしません。

厩舎コメントは、具体的な情報以外は読飛ばしてしまって構いません。
具体的情報とは、例えば次のようなものをいいます。

「他の馬を怖がっているようなので、今回からブリンカーを使う。」
とか、
「今週はずっと内田騎手に調教してもらっている。」
などなど。

新聞を隅々まで読まないと見逃してしまいそうな情報が、時々厩舎コメントには書かれています。

例えば初ブリンカーの馬はかなり注目すべきなのですが新聞には「B」と小さく書かれているだけですからね。
見逃してしまう公算大です。

同様に、騎乗するジョッキーが直接調教をつけるというのは、厩舎が本気で仕上げにかかっている証拠なのですが、何となく紙面を眺めているだけでは、わからない事が多いです。

厩舎コメントは、具体的情報をピックアップするために読んで下さい。

具体的な情報が出ている馬は、その厩舎が勝負気配である場合が多いです。


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