ここで、控除率の話をしましょう。
控除率とは、JRAが予め胴元として得るテラ銭のことで、中央競馬では25%ということになっています。
一つのレースに投資された勝馬投票券の総額が1億円だと仮定すると、JRAはあらかじめ25%にあたる2500万円を手数料として差し引いて、残った7500万円を配当金に充当する、という仕組みです。
この控除率というものはおよそどんな博打にも存在します。
例えば宝くじの控除率は50%ですし、平均的なパチンコ店の控除率は約3%です。
中央競馬の25%が高いのか安いのかはわかりませんが、とにかくこのことは知っておかなければなりません。
あらかじめ25%もピンハネされている世界で、更にその中から勝ち組になるというのは、ちょっと考えただけでも大変です。
ところが、ご存知の方も多いかも知れませんが、単勝馬券の控除率は、25%ではなく、20%なのです。
なぜ馬連や三連単の控除率と、単勝の控除率が違うのかは私にはわかりませんが、とにかく他の馬券に比べ、5%優遇されています。
これを見逃す手はありません。
「なんだ、たった5%か」と思ってしまったそこのあなた。
あなたはまだ数字のトリックに騙されていますよ。
5%がどれほど大きい数字かが、論理的に理解されていません。
直感だけで物事を推し量ろうとするから、たった5%と思うのです。
何度も言いますが、こういった細かい点をおろそかに(つまり、直感に頼って)馬券生活を送っていては、勝ち組になる事は難しいのです。
数字に強くなること。
これは、競馬(というより、ギャンブル全般)において非常に大切なことです。
人間の感覚なんて、いい加減なものであることは説明しました。
ですから、感覚に頼ってはいけません。
あくまでも理屈で物事を捉えて下さい。
年間の競馬の予算が 100万円の人であれば、100万円に対する5%は50000円です。
なるほど、それほどびっくりする金額ではないかも知れません。
ですが、この場合の100万円というのは、一年間、一度たりとも馬券が的中しなかった時の話です。
実際には、的中する馬券もあるわけですから、その払戻金で新たに馬券を購入する機会もあるでしょう。
100万円というのは、一年間に購入出来る勝馬投票券の総額ではなく、一年間に負ける事の出来る許容最大限の金額です。
100万円を使って払い戻しが0円である時、収支はマイナス
100万円ですが、1000万円を使って払い戻しが900万円である場合も、マイナス100万円です。
前者と後者の違いは、同じ100万の負けであっても、後者は前者に比べ、お金を得る機会を10倍持っていたという点です。
結果として、100万円のマイナスであったため、年間の収支としては一緒ですが、収入を得るチャンスという意味では天と地ほどの差があった事になります。
そして、例えばその全てを単勝馬券で勝負していたとすると、払戻金900万円の内の5%、45万円は、単勝馬券の控除特典による恩恵を受けているということがわかります。
私が強調したいのは、これでもまだたった5%と感じますか?
ということです。
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