【2】1996年の天皇賞春から学ぶこと

ライスシャワーの菊花賞同様、一番人気馬を切るのは簡単でした。
このレースでラッキーだったのは、一番人気を切るついでに、二番人気も切れた事です。
この年の天皇賞は、トライアルの阪神大賞典組の二頭が人気になっていました。

ナリタブライアンと、マヤノトップガンです。

歴史に残るデットヒートだったので、覚えている方も多いと思います。
レースとしては非常に見応えがあり、私の好きなレースの一つです。

ですが、馬券術的には、このトライアルレースがいいヒントになり、二頭とも切るという決断を下せたのです。

まず、一着になったナリタブライアンは、昨年から明らかに調子を落としていました。飛ぶ鳥を落とす勢いだった4歳時とは違い「一体どうしてしまったのか」と思わせるような体たらくの5歳のシーズンでした。

これ、理由は簡単で、馬が消耗して、衰えたのです。

ナリタブライアンに限ったことではありませんが、サラブレッドは消耗品です。
特に、厳しい流れとなるG1は、出走するだけで馬を消耗させます。

天皇賞秋、ジャパンカップ、有馬記念と、厳しいローテーションで連戦して来た(しかも結果が出なかった)同馬が、グランプリホースであるマヤノトップ
ガンとあれだけ激しい争いをしたのですから、消耗しないわけがありません。

簡単にいうと、ガス欠です。
天皇賞に限った事ではありませんが、G1レースの前哨戦では、なるべく余力を残した馬が、本番では強いです。

これは、そのG1の格が上であればあるほど、その傾向が顕著になります。

この年の例で言えば、ブライアンもトップガンも、前哨戦で燃え尽きたというイメージがありました。
そうでなくてもナリタブライアンに関して言えばピークを過ぎた感がありましたし、そのブライアンに及ばなかったマヤノトップガンでも、単勝勝負は出来ないと判断出来ました。

この年の天皇賞春はそういう理由で、人気馬を切るところまでは簡単でした。
ところが、本命馬を決めるのに少し難儀しました。

決め手となったのは、騎手です。

あなたにも、本命馬に迷ったら(つまり、馬の力が同じくらいだと判断したら)
騎手で決める事をおすすめします。長距離戦では特にそうです。単純に考えて、馬に乗っている時間が短距離戦より長いですから、騎手の実力差が発揮される時間も長いという理屈です。

私は、名手岡部が手綱をとるベストタイアップと、休み明けの前走をラクに勝ち上がって余力十分の、横山のサクラローレルで悩みました。
結果的に私がとった作戦は、こうです。

単勝を二通り購入する。

単勝は一点に絞らなければならないという決まりはありませんから。

特にこの年は、ブライアンとトップガンに人気が集まったせいで、3番人気でも14倍以上の倍率でしたから。今思うと、二通りではなく、三通り、四通り買ったって、問題はありませんでしたね。


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