「単勝以外の馬券は、時として知識が逆効果」
というのは私が作った格言の一つですが、この格言を元にした持論は、私の馬券術の中で度々登場します。
これを具体的事例とリンクさせ、記憶に定着させて欲しいという理由で、ダイワスカーレットが勝った2008年の有馬記念を振り返ります。
この年の有馬記念は、安藤騎手のダイワスカーレットが圧勝しましたが、2着には最低人気のアドマイヤモナーク、3着にはこれまた人気薄のエアシェイディが飛び込み、馬連・三連単ともに高配当になりました。
本レポートでご紹介する私の馬券術では、このレースは取れません。
取れるとしたらダイワスカーレットの単勝だけですが、この時の最終オッズは260円であり、期待値の低さを考慮すると買うべき馬券ではありません。
馬連、三連単はどうかと言うと、これはまず買えない馬券です。
中山に実績のあったエアシェイディはともかく、アドマイヤモナークにはどうやっても手が出せません。
この考えは、競馬を知れば知る程、余計に顕著なものとなります。
私はレース前、7割程度の確率で、勝つのはダイワスカーレットという予想を立てておりました。
当日の馬体重や、芝状態をチェックしてからも、その考えは揺るぎませんでした。
もしこの時、ダイワスカーレットの単勝オッズが400円程度ついていたら、単勝勝負していたかもしれません。
しかし、単勝260円に見合う程の自信はありませんでした。
期待値が低いと思いました。
ですが、7割の確率で、勝つのはこの馬だと思っているわけです。
さてこの日、私はどう勝負したでしょうか?
結論は簡単です。
勝負しませんでした。
検討した結果、勝負レースではないと判断したからです。
中央競馬の一年を締めくくる有馬記念と言っても、あくまでも数あるレースの一つに過ぎません。有馬記念であろうがダービーであろうが、勝負レースではないと判断したレースでは、勝負をすべきではないのです。
前述した「実行力」の㈪の項目で、「我慢する」と私は強調していますが、まさにそれです。
どうですか?イメージ掴めましたか?
−目次−